除菌清掃士の資格(AVE)とは?資格取得者の方が安心?

除菌・抗菌の知識

除菌清掃士の資格(AVE)とは?資格取得者の方が安心?

 

新型コロナウイルスの猛威により、除菌清掃士の注目が集まっています。除菌業者を選ぶ際も、「社員に除菌清掃士に関する資格を有している人が在籍しているか」が気になるところです。

 

ただ資格を気にする場合、除菌清掃士にどのような資格があるか知っておかなければ判断できません。除菌清掃士には、いろいろな資格があるからです。

 

また除菌清掃士は、資格を有していなくとも始められます。除菌清掃士に国家資格はありません。誰でもすぐに始められる仕事です。だからこそ、技能を示せる資格保持が必要とも言えます。除菌業者を探している人は、除菌清掃士の資格についても詳しくなっておきましょう。

 

そこで今回は「除菌清掃士の資格とは?」について解説をします。有能な除菌業者を探している人は、探す際の参考として活用してください。

 

除菌清掃士の資格とは?

 

除菌清掃士の資格とは?

 

除菌清掃士に国家資格はありません。資格は主に次の2つに分類されます。

 

除菌清掃士の資格

  • 国家資格
  • 民間資格

 

詳しく確認をしておきましょう。

 

除菌清掃士の国家資格

 

国家資格には主に医者のような「業務独占」と、調理師のような「名称独占」の2種類があります。医者は国家資格を有していなければ医療に従事できません。調理師の仕事は調理です。調理は誰でも行えますが、「調理師」を名乗るには、国家資格を有してなければいけません。

 

除菌清掃士は、国家資格がないのでどちらにも該当しないのです。つまり悪く言えば「名乗ったもの勝ち」、除菌清掃士は誰でもすぐに始められます。始める側からすればメリットですが、利用する側にとっては判断材料に乏しいのが問題です。

 

除菌清掃士の民間資格

 

民間資格とは、協会が認定をする資格です。「協会ってよく聞くけど、そもそも何?」と思われている人はいませんか。協会とは、業界の発展などを目的として設立された組織のことです。「任意の団体」や「法人」として設立されます。

 

除菌業界の主な協会は次のとおりです。

 

除菌業界の主な協会

  • 一般社団法人 消毒抗菌高度技能認定協会
  • 一般社団法人 全日本消毒業協会
  • 一般社団法人 日本ウイルス除菌協会
  • 一般社団法人 日本感染症対策協会
  • 一般社団法人 日本除菌脱臭サービス協会
  • 一般社団法人 日本滅菌業協会
  • 公益社団法人 全国ハウスクリーニング協会
  • 全日本クリーンマイスター協会

 

上記だけではありません。任意団体もあるので、全てを把握するのは難しいです。

 

民間資格には、国家資格の「業務独占」や「名称独占」のような効力がありません。効力がないことから、除菌清掃士は誰でも名乗れるというわけです。そのため協会が認定する資格の多くは、商標登録をします。協会が資格を取得するために用意した独自の試験や講習を行い、条件を満たした人に資格が認められ、名乗ることが許されるのです。

 

除菌業者を探すときは、資格が気になりますが所持しているだけで納得をしてはいけません。資格を認定した協会がどのような活動をしているかも調べることが大切です。国家資格でない以上、「○○マイスター」などと紹介をしている場合は、念のため内容を確認しておきましょう。

 

除菌清掃士の資格

 

除菌清掃士の資格

 

新型コロナウイルスなど、除菌を手掛ける業者は主に次の2つに分類されます。

 

除菌を手掛ける業者

  • 清掃消毒除菌業者
  • 特殊清掃業者

 

「清掃消毒除菌業者」は、ハウスクリーニングなど掃除を代行してくれる業者です。掃除のほかに、消臭や除菌作業を行ってくれます。「特殊清掃業者」は、遺体が発見された場所を特殊な器具や洗剤で清掃する業者です。強力な消毒や除菌が期待できます。

 

特殊性のある「特殊清掃業者」であっても、必要な資格はありません。「言ったもの勝ち」です。そのため業者を選ぶときは自ら取得をした資格と、実績や経験から判断をします。除菌清掃士を名乗る人の、信頼性に有効となる資格を確認しておきましょう。

 

施設消毒認定資格

 

「施設消毒認定資格」は、一般社団法人全日本消毒協会が認定を行う資格制度です。一般社団法人全日本消毒協会は、2020年8月より新規入会企業の受け入れを開始しています。新型コロナウイルスの急速な蔓延により、正しい知識で消毒を実施しない業者が増えました。知識がない状態で除菌作業を行う業者を減らすのが目的です。

 

根拠のある消毒方法を統一マニュアルとすることで、正しい施設消毒を提供しています。外部有識者や、新型コロナウイルスの豊富な施設消毒経験を持つ業者のマニュアルを一本化しました。新型コロナウイルスの不活化データを元に作られたマニュアルです。

 

施設消毒認定資格では3つの受講コースが用意されています。

  1. 噴霧消毒認定資格
  2. オゾン消毒認定資格
  3. 紫外線消毒認定資格

 

施設消毒認定資格は認定講習です。他にもいろいろな受講コースが用意されています。正しい防護服の着用方法や、消毒作業の流れなどが受講内容です。

 

除菌清掃士の資格と言うよりも、受講は企業向けに作られています。新型コロナウイルスの消毒に関係する業者に向けられた国内初の認定講習です。取得をしている業者は信頼性が高まります。

 

消毒抗菌高度技能士資格認定

 

「消毒抗菌高度技能士資格認定」は、一般社団法人 消毒抗菌高度技能認定協会が認定を行う資格制度です。企業ではなく、個人会員として登録ができます。認定されると、次の事項の利用が可能です。

 

消毒抗菌高度技能士資格認定

  • 資格認定証及び顔写真付き技能士カードの受領
  • 「高度技能士」の肩書記載OK
  • 「感染症対策ステッカー」の貼付許可
  • 消毒抗菌高度技能認定協会の消毒抗菌に関する情報が受け取れる

 

認定講習を受講することで取得ができます。「上級消毒抗菌高度技能士」と「消毒抗菌高度技能士」の2種類を用意しているのが特徴です。費用が異なるので注意をしましょう。

 

消毒抗菌高度技能認定協会は、科学的知見に基づく高度な技能普及を目指している協会です。新型コロナウイルスで、高い評価を受けた藤田学園藤田医科大学や全国有力病院の感染症専門医が強力をしています。消毒抗菌高度技能士資格を有している社員が在籍する業者の信頼度がアップするのは、言うまでもありません。

 

除菌マイスター資格

 

除菌マイスター資格は、一般社団法人 日本除菌脱臭サービス協会が認定を行う資格制度です。消臭作業に関する基礎知識などを提供しています。カビ菌、孤独死による悪玉菌、新型ウイルスなどの感染症に関する内容です。個人でも取得ができます。

 

参加資格は一般社団法人 日本除菌脱臭サービス協会の会員であることです。会員登録を済ませればどなたでも受講ができます。受講料は30,000円です。除菌サービスを行う上で必要となる薬剤や基材に関する基礎知識を教えてくれます。薬剤の管理方法や具体的な作業方法に関する知識も学べる講義です。除菌効果の確認に関する知識も得られます。

 

日本除菌脱臭サービス協会における除菌マイスターのランクはシルバーです。脱臭マイスターを合わせて取得することで、上位ランクの資格も得られます。

 

除菌清掃士の資格はいろいろとある

 

除菌清掃士を名乗るのに資格は必要ありません。ただ資格を得ることで、利用者の信頼度が高まります。除菌業者を選ぶときは資格の有無を確認しておきましょう。

 

今回紹介をした資格以外にもいろいろとあります。一般社団法人 日本滅菌業協会が認定する「滅菌管理士」及び「滅菌消毒業務受託責任者」は、医療関連サービスでも通用する資格です。除菌業者の社員が取得をしていれば、より確かな知識が期待できます。

 

事件現場特殊清掃士は、事件現場特殊清掃センターが管理、発効する資格です。特殊清掃サービスを提供する業者が取得をしていると信頼度が上がります。除菌に関する知識も含まれる資格です。除菌業者を選ぶときは、資格の優位性の比較をしましょう。より信頼できる協会が認定している資格が魅力です。「資格があるからOK」ではなく、「この資格なら安心」で判断することをおすすめします。

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