光触媒とは?メリット・デメリットを紹介

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光触媒とは?メリット・デメリットを紹介

 

新型コロナウイルスの脅威により「光触媒」への注目が高まっています。少しでも感染被害を抑えるため、人が集まるオフィスで導入した会社も少なくありません。また、今まさに検討中の人もいるのではないでしょうか。ただ「本当に効果があるの?」と不安を抱く人もいるはずです。

 

光触媒は、外壁で活躍をしていましたが、最近は室内で採用するケースも多く見られます。光触媒空気清浄機を求める人も増えました。しかし目に見えない効果のため、導入を悩むのです。悩んでいる人は、光触媒のことを理解しておきましょう。

 

そこで今回は、「光触媒とは?」について解説をします。メリット・デメリットも合わせて解説をするので参考にしてください。

 

光触媒とは?

 

光触媒とは?

 

光触媒とは、太陽や蛍光灯などの光(紫外線)が当たり強力な酸化力が生まれることで、有害物質が除去される環境浄化材料のことです。食品や化粧品にも使われる安全な二酸化チタンを主成分としたコーティング剤を製品の正面に塗布し、それに光が当たることで酸化還元反応がおこります。

 

空気の浄化や、汚れの自動洗浄に利用されている技術です。光触媒反応で有名なのが植物の光合成、生活の身近なところに光触媒は存在しています。

 

光触媒の原理

 

なぜ光触媒を利用することで、細菌や有機化合物などの有害物質が除去されるのでしょうか。その原理を確認しておきましょう。

 

  1. 二酸化チタンでつくられた光触媒に紫外線が当たると電子が飛びだす
  2. 光触媒から飛び出した電子の穴はホールと呼ばれプラス電荷を帯びている
  3. できたホールは強い酸化力をあり、水酸化物イオンなどから電子を奪う
  4. 水酸化イオンは電子を奪われOHラジカルになる
  5. 強力な酸化力をもつOHラジカルが、安定を得るために有機物から電子を奪う
  6. 電子を奪われた有機物は結合が分断される
  7. 結合が分断された有機物が二酸化炭素や水となる

 

光触媒と紫外線により、上記の流れで有害物質は除去されます。

 

従来から、紫外線は殺菌に利用されてきました。洗濯物は、外干しにより紫外線を当てることで殺菌されています。もともと抗菌の力をもつ紫外線の働きを、光触媒によって増幅・圧縮しているのです。

 

光触媒が採用されている物

 

光触媒は、最近になって騒がれたように見えますが、1990年代頃から活躍をしています。光触媒には、多くの実績があるのです。

 

当初は、病院のタイルに利用されはじめました。次に浴槽やトイレなどにも利用されます。セルフクリーニング効果を持つ光触媒外壁タイルも人気です。きれいさを持続する外壁として、多くのハウスメーカーが採用をしています。その後、ガラスなどにもコーティングされるようになりました。

 

光触媒で有名なのが東京ドームの白い屋根です。白い屋根を守るために、光触媒が採用されています。そして最近になって空気清浄機にも利用されるようになりました。光触媒空気清浄機は、フィルターに光触媒を塗布しています。国際宇宙ステーションでも採用されている方法です。光源(UV-LED)を組み込んだ光触媒空気清浄機で、細菌や臭いの発生を抑制します。光触媒フィルターが付着した不純物を分解除去するのです。

 

多くの実績から光触媒の信頼性が上がります。

 

光触媒のメリット

 

光触媒のメリット

 

光触媒のメリットを解説します。

 

消臭効果が高い

 

光触媒は、消臭効果が高いといったメリットを持っています。光触媒と紫外線で生成された活性酵素が、臭いの原因を分解するのです。次の臭いで悩まれている人はいませんか。

 

  • たばこ
  • カビ
  • 靴や足の裏

 

光触媒が空気清浄機に利用されるのは、高い消臭効果も持っているからです。臭いの原因物質に吸着し分解をしてくれます。高い消臭効果は光触媒を利用するメリットのひとつです。

 

有害物質の分解や除去効果

 

光触媒の説明でも紹介をしましたが、有害物質を分解し除去する効果があります。有害物質を無害化するのはメリットです。また光触媒は、防カビ・防藻効果にも優れています。主に次の有害物質を分解してくれる物質です。

 

有害物質

  • ホルムアルデヒド
  • 排気ガス

 

シックスハウス症候群の原因と言われているホルムアルデヒドを分解します。ホルムアルデヒドは、健康への影響が指摘されている代表的な化学物質です。健康被害を抑制してくれるのはメリットといえます。

 

また、外壁に付着した排気ガスなどの汚れを落としてくれるのもメリットです。光触媒は防カビや防藻効果にも優れています。光触媒と紫外線によって付着力の弱まった汚れの原因が、雨に流されることできれいが保たれるのです。

 

抗菌効果が高い

 

抗菌効果の高さもメリットです。新型コロナウイルスの猛威に対し、光触媒の高い抗菌効果が期待されています。光触媒が注目を集めた要因のひとつです。さまざまな菌やウイルスを除去してくれます。

 

さまざまな菌やウイルス

  • インフルエンザ
  • O-157
  • 大腸菌
  • カビ菌
  • ノロウイルス

 

光触媒は、上記のような人体に影響を与える菌やウイルスを分解し無害にしてくれます。そのため、外壁だけでなく室内の壁にも採用されるようになりました。仕事で人の集まるオフィスなどにも採用されています。

 

抗菌効果の高さはメリットです。すべての仕事が在宅になることはありません。人が集まる場所には、光触媒でコーティングされた天井や壁を採用しましょう。

 

防汚効果が高い

 

先ほどの排気ガスでも紹介をしましたが、光触媒には防汚効果が備わっています。汚れにつながる化学物質を分解するので、きれいが維持されるのです。

今まで、たばこによる壁の黄ばみを気にされたことはありませんか。あまりにひどい黄ばみはクロスの張替えが必要です。しかし壁に光触媒をコーティングしておけば、たばこによる黄ばみも防いでくれます。清掃やリフォーム費用を抑えられるのはメリットです。

 

副作用がなく周囲への害がない

 

いろいろなメリットを紹介しましたが、それに伴う副作用や周囲への害が光触媒にありません。悪影響を与えないのもメリットのひとつです。体が直接紫外線を浴びると、免疫機能の低下がおこります。しかし光触媒は、人が紫外線を直接あびるわけではありません。特にこれといった副作用は見当たらないのです。

 

光触媒は周囲への害がないどころか、周囲への害を低減してくれます。例えば、光触媒空気清浄機です。空気清浄機を掃除する時は、有害物質がたまったフィルターを本体内から取り出さなければいけません。フィルターには菌やウイルスがたまっています。光触媒がフィルターに施されていれば、菌を除去してくれるので周囲への悪影響が抑えられるのです。

 

副作用や周囲への害がない、もしくは低減してくれるのはメリットといえます。

 

光触媒のデメリット

 

光触媒のデメリットについても確認をしておきましょう。

 

費用が高い

 

最大のデメリットは導入費用の高さです。一度導入すればランニングコストは低いのですが、初期投資はどうにもなりません。導入することで大きな効果は期待できます。長期的に利用ができるので、コストパフォーマンスには優れていますが、導入にはまとまった資金が必要です。

 

効果を疑う人もいる

 

残念ながら効果を疑う人もいます。これは光触媒に限ったことではありません。空気清浄機も効果を疑う人がいました。花粉症の症状がなく喉も強い人の中には「空気清浄機を利用しても何も変わらない」と断言する人もいます

 

光触媒は空気清浄機と同様に目に見えません。実感が得られないので疑われます。ただ、実験結果でも効果があることは実証されている物質です。正しく光触媒が施されているのならば、効果は確実に得られます。

 

まとめ

 

「光触媒とは?メリット・デメリット」について紹介をしました。導入費用は高いですが、光触媒にはそれだけのメリットがあります。人の健康を維持してくれるのは大きなメリットです。

 

病院や東京ドーム、宇宙ステーションに利用されている事実が光触媒の信頼性を上げています。光触媒のコーティングが施されている製品を購入し、ウイルスから自分の身を守る努力をして行きましょう。

 

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